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ヒヒ通

昨日のエントリーで紹介した安佐動物公園内で販売されている漫画を紹介。

『ヒヒ通』(115p 950円)

著者は動物公園で飼育係をしておられる南方延宣(みなみがたのぶよし)さん。
内容は飼育を担当したアヌビスヒヒ、トラ、シマウマの飼育裏話です。
飼育係ならではのユニークな逸話や苦労だけでなく、動物たちの隠れた習性にも言及されてます。
これを読んだらヒヒ山(安佐動物公園はサル山でなくてヒヒ山です)の見方が変わりますよ。

サンプルは動物公園のHP内で見ることができます

自費出版ということで、販売は園内売店のみ。
通信販売もしているそうです。
問い合わせ 安佐動物公園企画広報係 電話082-838-1111
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夕凪の街 桜の国

友人から借りたマンガです。
本当は買おう、買おうと思ってたのですが、ついに手が出せなかったマンガです。

内容は
昭和30年代を舞台にした皆実(みなみ)の物語、「夕凪の街」
平成10年台を舞台にした七波(ななみ)の物語、「桜の国」
の二本立てといった構成になってます。
七波にとって皆実は叔母に当たります。

まあ、検索すれば腐るほど紹介や感想に出会えると思います(映画化、ノベライズもされました)のでいまさらあれこれ書くつもりはないですが・・・少しだけ。

この作品は理不尽に全てを奪われるだけでなく、「奪われ続ける」ということの深い悲しみと怒りがやさしいタッチの中ににじみ出ています。
『はだしのゲン』と比較して読むと面白いと思います。
ただ、作品が短いためか、ある程度「ヒロシマ」という問題に興味を持った方が対象となる表現や省略が見られるのが残念です。(注釈である程度はフォローされてはいるのですが)

私は一応、被爆三世(祖父が入市被爆(原爆投下後、肉親の捜索や救護活動などで広島入りし、残留放射能で被爆すること))なのですが、原爆に関するあれこれは著者と同程度の認識しかありません。
被爆者の「何で生き残ったんかいね?」「何で死なにゃあいけんのかいね?」という相反する絶望は、広島に住み、様々な資料に触れてもなお、理解が難しい問題です。
この作品にはその絶望を出来る限り表現しようとしたとした努力が見られます。単なる反戦や反核、お涙頂戴ではないと思います。
端的なのはp.16の
ぜんたい この街の人は 不自然だ
誰もあの事を言わない いまだにわけがわからないのだ
わかっているのは「死ねばいい」と 誰かに思われたということ
思われたのに生き延びているということ
そしていちばん怖いのは あれ以来 本当にそう思われても仕方のない
人間に自分がなってしまったことに
自分で時々 気づいてしまう ことだ

というくだりです。

東京大空襲でも、その他どんな戦争の悲劇を紐解いても、被害者がこのような感情を抱くことがあるでしょうか?

そうそう、「夕凪の街」に登場する人たちの名前は実際の広島の地名から取られています。
そして、(巻末の)地図と結構符合してます。
「平野(苗字)」(京橋川に平野橋がかかってます)
「皆実」(南区皆実町)
「旭」(南区旭)
「霞」(南区霞)
「翠」(南区翠)この四きょうだいの町は旭を中心に隣町です。
「フジミ」(中区富士見町)
「天満」(西区天満町)
「古田さん」(西区古田)
「打越さん」(西区打越町)



私家版鳥類図譜



『私家版鳥類図譜』
諸星大二郎
2003年講談社
ISBN 4063346943


鳥にして、鳥にあらず。

幻想漫画の大家が鳥をモチーフに自由な想像の翼を羽ばたかせた短編6話で構成されてます。
ファンタジー、SF、ミステリー、ユーモア、歴史ものとジャンルも多彩です。

鳥類学上の鳥たちも登場するけれど、これはいわばご愛嬌。全体として、実際の鳥の生態や特徴に即した話は、あえて避けるようにしました。
(あとがきより引用)
とのことですが、意外としっかり描かれていて、結構識別できたりするのが楽しい。
オオソリハシシギにシラコバト、タンチョウなどなど・・・


しかし、諸星氏は届かぬものへの憧れと絶望が混じった作品が多いですが、この短編集は「鳥」という羽ばたき、手の届かぬところにいる存在をモチーフにしただけあって、特にその色彩が強い感じがします。

もくじ
『鳥を売る人』
 SF的な作品です。空のない世界に紛れ込んだ鳥にまつわる話。
『鳥探偵スリーパー』
 ユーモア。鳥の探偵スリーパーの活躍? モズの表情が最高です。
『鵬の墜落』
 ユーモア。巨大な鳥、鵬が上昇に失敗して墜落のてんやわんや。中国の故事と美味い具合に絡められてます。鳥の識別も楽しい。
『塔に飛ぶ鳥』
 SFファンタジー。外の世界への憧れ。もっとも諸星テイストが出た作品ではないでしょうか。
『本牟智和気』(ほむちわけ)
 歴史もの。古事記や日本書紀につづられる神話をモチーフにしています。
『鳥を見た』
 ミステリー。少年たちの好奇心と恐れが潮の満ち引きのように謎を解いてゆきます。

コネタですが、話末の「第1羽 おわり」とか書いてあるとこにあるクジャクの絵、『とりぱん』でも見たことがあるような気がするんですが・・・
現在単行本を貸し出し中なので確認できませんけど。

大江戸鳥暦



たまには本の紹介を。

『大江戸鳥暦-川柳でバードウォッチング』
松田道生
1999年河出書房新社
ISBN 430901321X

絵画やさまざまな記録によって江戸時代の江戸で見られた鳥が浮き彫りになっている。
当時の江戸は水路や林、草原も多く、鳥にとってはよい環境だったようだ。
また、ツルやガンといった現在の東京ではありえないような鳥たちも見られていた。

筆者は江戸の鳥を切り取る手段として川柳を選んだ。
大衆文化である川柳に登場する鳥たちを見ることによって、江戸っ子たちがどのように自然と接してきたか、生き生きと描かれている。
ただ、川柳は当時の文化的背景、古典、洒脱のセンスに同調する感性など幅広い知識とセンスが要求されるので、なかなか難しい。

本書はこの難しい川柳に若干の解説を加えつつ、川柳を通じて描かれる鳥の生態を鳥のことを知らない人にも分かるように描いている(と思う)。


最初に描かれるのは、カラス。
「憎まれぬのは元旦の明烏」
やっぱり、朝早くから大声で鳴くカラスは江戸の人たちにもうるさがられていたようだ。

そのあと、ウグイスやウソなど季節で追って紹介される。

ホトトギスは最も歌に詠まれる鳥として紹介されている。
韻が踏みやすい、五文字であることなどが理由のようだ。
「時鳥二十六文字は案じさせ」
といったぐあいである。
ホホトギスの初鳴きを競って聞いたり、ユニークな托卵の習性など江戸の人たちにとっては非常に身近な鳥だったようだ。

秋の深まりと共にガンやハクチョウがやってくる。
数十年前までは東京にもガンが飛来していたそうだ。
「夜をのばし昼をのばす雁の声」
ガンがやってきたら夜が長くなり、ガンが去れば昼が長くなる、というわけ。

草原や水田が豊かだった当時の江戸にはツルもやってきた。
今では北海道でしか見られないタンチョウもいたそうだ。
ツルはもちろん日本人にとって珍重された鳥なのだが、それゆえ、庶民にとっては「見ることさえ許されない」鳥となってしまった。
ツル殺しは一家死罪、一族遠島というとんでもない重罪だったそうで。
ツルを捕らえ、天皇に献上できるのは唯一将軍の特権とされてしまったからだ。
当然ツルを食することが出来たのは極々一部の上層階級だけ、ということになる。
皮肉からか、こんな句がある。
「壽運拙く献上のツルとなり」
ツルはもちろん瑞鳥なわけだが、その割には運なく捕らえられてしまったねえ、と。

そして、現代でも議論を巻き起こす「都鳥」。
「名にしおば いさこと問はん 都鳥 我が思ふひとは ありやなしやと」
いわずと知れた伊勢物語。
この都鳥はユリカモメ(カモメ科)なのか、ミヤコドリ(ミヤコドリ科)のような別の鳥なのかの議論は現代人だけでなく、江戸っ子たちの間にもあったようだが、概ねカモメ説が有力だったようだ。

ユリカモメ
ユリカモメ

ミヤコドリ
ミヤコドリ

ただ、あれこれ議論するのは野暮だったみたい。
そのうえ、隅田川吾妻橋で見るカモメのみが「都鳥」だったらしい。
「鴎見てあれにしておけ都鳥」
「そくたいで見るがまことの都鳥」(そくたい=衣冠束帯。貴族(業平)の衣装)
「隅田川鳥さえ見れば都鳥」



鳥が文化の一員として身近であったこの時代がうらやましいと思える一冊でした。

中国・四国のトンボ図鑑

中国・四国のトンボ図鑑

ケータイを新しくしたときにショップにもらった商品券で買っちゃいました。
中四国で記録のあったトンボ109種を記載した図鑑です。
既刊として北海道編沖縄編があります。
ちなみに日本では200種前後だそうですから、およそ半分ということになります。

見開きで1種を紹介する豪華な構成になってます。
左ページが形態・生息環境・出現期・生態・分布の紹介と標本の拡大及び原寸大写真
右ページが生態写真2枚(連結や産卵のものが多い)
付録として幼虫(ヤゴ)の原寸大写真、類似トンボの識別法が巻末に記載

全種類が載ってないとヤダ!
住んでる地域が違いすぎる!
って方以外にはかなりオススメの内容になってます。
鳥と違って、昆虫は分布が限られたものが多いので、こういった地域別の編集の図鑑のほうがフィールドでは役に立つんじゃないかな、と思うわけです。
コストパフォーマンスは悪いですけど。
ま、写真見てるだけで楽しいからいいや。

プロフィール

紅葉修

Author:紅葉修
もみじおさむと読みます。
趣味は鳥見、トンボ見、寺社巡り、ラテン語、ゲームなど。
観察は広島市中心。
ツイッター @volitare1

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